■album 『アフターダーク』 by りゅーしか liner notes

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 彼は鳴くように、そっと世界を見渡す。




 命の灯は甘さには勝てなくて、それは残酷なまでに美しい。黒く光るものも、その笑みも、ぜんぶぜんぶ愛してしまえばいいのに。


 だから、ひたすらにそれを愛し続けて、心を送った。立てる二つの指は、たった一つの願いに繋がり、まだまだ届かないまま。


 目を閉じる。日差しにこぼれる優しさと青さ。もう少しだけ追いかけて、そこで明日を願う。きっとあの花も彼を見つめて、見つめて。


 この狭い部屋で涙を流そうか。上から月光が落ちてくる。真ん中にはその虹色を、彼には艶やかな琥珀色を。あと少しで、気付けそうじゃないか。



 
 でも、たまには休んだっていいだろう?




 あの日射しは柔く脆くなり、彼を包んだ。制服は遥か昔に置いてきたんだっけ。それもあの淡い恋心のせいで、ひどく可憐な色を残した。つかずはなれず、の距離は彼と僕たちを表すひとつの標だろう。


 終焉を迎えて、踊り子は彩を数える。宇宙なんて壮大な話じゃなく、ただ単に綺麗な夜を魅せた。八つの彩は寂しさを虜にした硝子のように。


 そして最後。彼は僕たちに星を手渡した。なんて悩ませるんだろうか。その星は掴む光を鮮明に滲ませて問う。




 これが彼ですか、




 僕たちが回る八つの彩。暗闇の後に惑わす彩。それを聴いて僕たちは気付くだろう。




 ―彼が好き。


liner notes by 真屑


 piaproニコニコ動画で活動している作詞家。楽曲制作者とのコラボレーションを中心に活動していることもあり、氏の言葉はサウンドとリンクした世界観を紡ぎだす。




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